忠圀鋏製作所 鋼材一覧

鋼種 主要成分(%)
  炭素 クロム タングステン ボリブデン ニッケル バナジウム コバルト
V金1号 0.95%〜1.05% 13%〜15%   0.2%〜0.4% 0.25%以下    
V金10号 0.95%〜1.05% 14.5%〜15.5%   0.9%〜1.2% 0.25%以下 0.1%〜0.3% 1.3%〜1.5%
BNG-10 1.05% 17%   1.1%   0.1% 1.5%
コバルト・スペシャル 1% 16% 0.3% 1.55%   0.3% 2.1%
スーパーゴールド 1.25%〜1.45% 14%〜16%   2.30%〜3.30%   1.80%〜2.2%  

元素記号 名称 説明、解説
C 炭素 刃物の切味を出す根本的な元素です。多すぎるともろくなる為一般には1.4%くらいまで配分します。
Cr クローム ステンレス鋼における基本元素の一つです。12%以上加えると著しく耐食性が増え錆びに強くなります。
W タングステン 粒子が微密になり耐磨耗もよく、焼きも入りやすく刃物としての高硬度と鋭い切味が得られます。
Mo モリブデン タングステンと同じような効果があり、焼きが入り易く強靭になり、切味と耐磨耗性にも効果があります。
Ni ニッケル この元素も焼きが入り易く、強靭になり粘さを増す。又、粒子が大きくなるのを防いでくれる貴重な存在です。
V バナジウム 結晶粒を細かくし、靭性を損なわずに強度を増やします。
Co コバルト 素地を強化して、炭化物の脱落を防止します。希少金属の一つです。

鋏用の鋼は用途に応じて極めて多種類ありますが、理美容鋏に適した鋼は「折れない、曲がる、欠けない、永切れがする」等の条件を満足させなければいけません。

当社では上記の条件を満たす鋼材として「マルテンサイト系ステンレス」5種類を在庫し、管理をしています。
マルテンサイトとは熱処理によって硬くなる性質を持った鋼の総称です。

熱処理をしないコバルト基合金系のステライトは上記の条件を満たさない為に当社では使いません。
しかし、いくら良い鋼材を使っていても適切な熱処理やその後の加工をしっかり管理しないと、本来鋼が持っている性質を引き出せません。

作り手によって性能を引き出す事のできる「マルテンサイト系ステンレス」の方が挑戦しがいのある材料なのです。